伊藤桂一さんの著書、
静かなノモンハン (講談社文芸文庫)
を読了。
ノモンハン事件について、三人の日本軍 兵士の体験が綴られている。
驚くべきは、軍上層部の
無策、
兵站軽視、
兵器に対する無知
であり、
生き残りに対する。
自殺強要(引責を理由としながら、作戦を推進した人間は決して責任をとらない)、
口封じ(情報操作)、
激戦地への積極的な投入
なども含めて、
その後の太平洋戦争で現れる諸問題が、既に顕在化しているのである。
逆に言えば、この紛争の経験が何ら活かされてはいないのである。
この紛争が大敗北に終わらなかったのは、作戦の良否では断じてなく、死んでいった個々の兵士の奮闘による、との思いを強くした。
司馬さんが生前、この紛争について長期間に渡って調査しながら、書けば『血管が破裂してしまう』とまで言って、結局書かれる事がなかったのも頷ける。
官僚化し、自分達の出世にのみ目を向けた高級軍人達の、人間を想定しない机上だけの『作戦』を見ていると、現在の道路利権、年金に群がる高級官僚達が、天下り先を確保するために打ち出す『政策』にダブって見える。
我々は今まさに、ノモンハンへの道を再び歩み始めたのではないか?
最後に。
今回紹介した、
静かなノモンハン (講談社文芸文庫)
を皆さんも是非手にとって頂きたい。
もうすぐ16歳
1 年前
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